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2021/08/03 21:18



自然由来の素材で知られる「い草」ですが、どこでどのように栽培されているのかということは、あまり知られていません。い草は、苗の状態から畳や花ござになるまで、1年以上もの長い時間がかかります。今回は、熊本県のい草農家さんから聞いたお話を交えながら、手間暇かけて育てられた国産い草の魅力に迫ります。

これを読めば、きっと国産い草の畳や花ござが欲しくなること間違いなしです!

い草とはどんな植物?



い草とは、畳や花ござの原材料に使用される、工芸作物の一つです。
工芸作物の場合、収穫量だけでなく品質も重要になるため、栽培には適した土地と適した気候、高度な栽培技術が必要となります。い草の他の工芸作物の例として、綿や香料のラベンダー、ジャスミンが挙げられます。

また、い草は漢字で書くと「藺草」、別名「トウシンソウ(燈芯草)」とも呼ばれるイグサ科の植物です。日本にい草は30種類生育していると言われていますが、そのほとんどが野生種であり、畳や花ござに採用される品種は主に『ひのみどり』『すずかぜ』『コヒゲ』などの数種類となっています。
『すずかぜ』は加工しやすいように作られた新品種。あまり知られていないだけで、他の農作物と同じようにい草の品種改良も日々進んでいるんですね!
収穫シーズンを迎える6月~7月には、緑色の蕾から白色の小さな花を咲かせます。


国産い草の一大産地は「熊本県」




国産い草のうち、そのほとんどである約9割が熊本県で作られています。生産量で言えば、次いで福岡県と広島県が多くなっています。 そんな一大産地の熊本県でも、平成元年に約5,000人(計5,000ha)いた い草農家さんが、今では約300人(計400ha)にまで減ってしまいました。 作り手が減った原因の一つに、安価な中国産い草が市場に出回り、シェアを拡大していったことがあります。今では中国産い草は、日本国内のシェアの約8割を占めるようになりました。 そのため、国産い草を原料に用いた畳や花ござはとても貴重と言えますね。本ショップ「松正」の製品は、全て国産い草を使用して作られています。


い草ができるまではとっても長い!




い草の栽培は8月から始まります。苗を育てる苗床(なえどこ)から良質なものだけを選び出し、12月の寒冷期に植え、翌年5月に先端を切り払って新芽の発芽を良くし、7月に刈り取ります。 育苗から収穫されるまでが半年ほどのお米と比べると、い草は収穫まで約11ヶ月もかかるので、とっても長いことが分かりますね! また、収穫したばかりの新鮮ない草は、繊維がしっかりしていて硬いので、色が染まりにくかったり織りにくかったりします。そこで、「松正」ではあえて1年貯蔵した2年物のい草を使って花ござを織るようにしています。1年貯蔵したい草は、しなやかで変色しにくく、より使い心地の良い花ござを作ることができます!


い草栽培のポイントは「倒れない」




い草の丈は、収穫シーズンになると155~160cmまで成長します。日本の女性の平均身長と同じくらいですね。風が当たったり強い雨に打たれると、植物の特性上、倒れないように短く太くなろうとします。そうなると、畳や花ござには不向きない草に育ってしまうので、い草の成長に併せて支えを立ててあげます。


一般的には、写真のように網目が大きなネットを張って、い草が15cm成長するごとにネットの位置も高くしていきます。


この日見学させてもらった、100年以上続く「熊本県のい草農家」畑野さんによると、風になびくい草を見れば、柔らかさや収穫のベストタイミングがいつか分かるそうです...!



収穫されたい草は、丁寧に乾燥させる




こうして収穫されたい草を、専用の「染土」という泥に漬け込み、17時間かけて低温乾燥させます。乾燥させることで、色・つやが増し、色調を保ち、清々しい い草の香りを引き出します。 乾燥が不十分だと、手間暇かけて育てたい草は出荷できなくなってしまうので、まさに真剣勝負。乾燥機が途中で止まってしまったり、煤がついたりしてもだめなので、毎年必ず、メーカーの方に隅々までメンテナンスしてもらうそうです。 しっかり乾燥させたい草は、そのままい草農家さんの手によって、畳表に使われる「ござ」に生まれ変わります。もしくは、松正のような織元に い草のまま出荷されていきます。 国産い草を作るのは、まさに匠の世界です!

もっと詳しくい草を知りたい方は、ぜひ畑野さんのブログをご覧ください!


→ブログ「茣蓙蔵十平」




▲写真の左:熊本県のい草農家 畑野さん



花ござの購入はこちらから!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 今回お話を伺った「い草農家」畑野さんのい草を使った花ござ商品は、本ショップ 松正でお買い求めいただけます。 ラグだけでなくテーブルマットやインソールもござますので、よかったらショップの方もご覧になってみてください!

→松正のショップを見る




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